Re:文学極道/5or6
 
に本だ。本は開かれるためにある。
開け、開け、むせ返るような体臭は印刷されたインクだ。嗅覚は既になく、既に視覚のみに置き換えている。
データーを指先に直接叩く、叩く、叩く。息が荒くなる。息をしていたのか、今まで止めていたのか、ペニスが膨張しないままブラインドに流れる文字は落下していく。
蝿が目の前を横切る。
幾匹かの蝿が酷評の摺り足でブラインドの文字を擦る。
静かに母親に買ってきて貰った殺虫スプレーで殺し、芸術を創生させる。
選考は近い。選ばれるのは、天から授かりし、この私だ。
優良こそ真実。優良こそ永遠。大賞こそ。神話。
来る。来る。来る。息が荒くなる。ブラインドの文字が光の速度
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