恋の詩4品/ふるる
 

と君が言うもんだから

紅茶なんか待ってないで
君の手を取って
インドの青い山へ
逃避行したいけど

なんで僕は
乳母にしちゃったのかなぁ }


 

幻想

 

君が小さく声を上げると
僕の肌は不思議に緊張する

眼差しを追ってみても
もうまどろんでいる
午後の教会のように
静かに
ばら色の壁と
古い木の椅子
屋根のひさしにツバメが巣を作り始める

君は蜂蜜のたっぷり入った紅茶が好き
白磁のカップで
君の花びらのような唇は
夜露を残してか
ふっくらと潤っている

やわらかな君を抱きとめるため
僕の肌は不思議に緊張する

白磁のカップは君のおばあさんがくれたもの
古いものをもらうと花嫁は幸せになるんだよ
僕は知っているけど
君は知らないという

やかんがささやきはじめるまでの間
あの幼い幻想がやってくる

君が好きなのは僕だけという幻想
幸せな




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