君が小さく声を上げると
僕の肌は不思議に緊張する
眼差しを追ってみても
もうまどろんでいる
午後の教会のように
静かに
ばら色の壁と
古い木の椅子
屋根のひさしにツバメが巣を作り始める
君は蜂蜜のたっぷり入った紅茶が好き
白磁のカップで
君の花びらのような唇は
夜露を残してか
ふっくらと潤っている
やわらかな君を抱きとめるため
僕の肌は不思議に緊張する
白磁のカップは君のおばあさんがくれたもの
古いものをもらうと花嫁は幸せになるんだよ
僕は知っているけど
君は知らないという
やかんがささやきはじめるまでの間
あの幼い幻想がやってくる
君が好きなのは僕だけという幻想
幸せな