生誕祭/
白島真
一篇の詩をつづりながら
多くの迷い道を選びきれないでいる
夜 飼い猫の眼が光る
かれも ぼくをみつめている
散乱した独りずまいの部屋に
椅子がない
神棚のみずが
しずかに腐りはじめている
ちりぢりと宇宙を抱いて
外の気配に耳をすます
除雪車がとおり過ぎていく
夢遊病者の夢はどんなだろう
七草粥の誕生日
没落の予感にふるえて
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