かげ/草野春心
 


  影が、
  薬缶からのびて
  傷んだ壁にのびて


  夕暮れとつながった
  懐かしさや情けなさや怒りや
  いつまでも尽きそうにない悲しみと……


  そしてわたしは
  この心で 光のうちに
  あなただけを慕っていた


  
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