はぁ/木屋 亞万
甘えたり、依存したりしたいのだろうけれど、それが何かすらわからない。行くあてのないRPGゲーム。糸の切れた凧。難破船。たとえなんかなんだっていい。
自分以外のありとあらゆるものたちのせいでこうなったのだし、突き詰めればすべて自分という受け皿の問題でもある。違うやつが舵を取っていたら、ここまで行き詰らなかったのかもしれない。面倒なことに、心の中の主観というか操作担当だけは人任せにはできないらしい。
季節の変わり目には風邪が流行り、特に夏の終わりにはその盛りらしいが、死への勧誘も盛り上がりを見せる頃だ。この秋冬の入り口というのは死への門のように、圧迫感があり一年草を枯らし、虫を殺し、世界をとても静かにする。
口からいくつも台風を吐き出し、目から虫が這い出るような、夏の終わりは秋の始まり。収穫するものもなく、お祭りするものもなく、ただ水平線のような心電図を見ている。静けさの中、部屋中雪をかぶったような真っ白な装いで、秋の虫のような機械音が静かになっている。
夜だ。
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