母がぼくの肩に交じり/
オイタル
母がぼくの肩に交じり
ぼくはぬるいお茶をこぼす
夢をも一度
ハ行に注ぎ入れて
湯気を吹き
そっとすする
ほら お食べ
銀のお椀に
盛り切れないほど いっぱいの
夢だよ
飲みきれないほどの
夢のコップだ
お前の 夢だ
夢の洪水だ
夢の皿盛りでおなかいっぱいだ
銜えたそばから
運ばれてくるんだ
おぼつかない足取り
水浸しのぼくたち
母がも一度ぼくの肩に交じり
ぬるいお茶の
湯気を吹く
そっと吹く
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