伊佐の青春/zenyama太郎
 
忠元公園の夜桜並木で
君に似た女(ひと)を見かけた
あれから十年
別れた時より幸せそうだった

初めてのデートも
この桜並木だった
満開の桜のような君の笑顔
お互いを見つめ合い
時を忘れた

夏の奥十曽キャンプ
夜空の星を眺めながら
ふたりの夢を語り合った
さわやかな風が
ふたりの恋を清めた

秋の曽木の滝
突然の別れ
わけは言わずに
君はただ滝の水しぶきを見つめていた
紅葉のもみじが悲しかった

僕は今でも
関白陣から霧島山を眺めながら
君の幸せ祈っている
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