土曜の朝、手つかずのものはそのまま/ホロウ・シカエルボク
 
ゲームのバッドエンドの色合いだ
飲み干したカップを片付けて
イギー・ポップの古い歌を口ずさみながらシャワーを浴びた
奴を一番パンクだと感じたのは
「飽きた」と言ってシャンソンを歌い始めた瞬間だった
湯の温度はいくら調整してもフラフラしていたが(ブラー・ブラー・ブラーではなく)
だからといって近くの壁を叩いたりはしなかった
中身に踏み込めないから外面にあたるなんて
サイコーにみっともない人間のすることだ
バスタオルは何度洗濯してもすっきりしない感触を残す
こんな天気だから仕方がない
読みかけの本を開くと
休日はそれだけで過ぎていく気がした
途中にあるものを少しずつ片付けていく
目を凝らす激しさが必ず必要なのだ
携帯に台風のニュース
いっときしか荒ぶれない早漏なんか
知ったこっちゃない
好きにすればいい
ページを捲る音が俺を
無意識の階層へ連れていく
そこで誰かに出会うことが出来たら
アドレスを書きとめることを忘れないようにしよう





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