白鷺と太陽/ヒヤシンス
 

 清らかな川辺に降り立った白鷺を見た。
 しばらく彼の美しい立ち居振る舞いに目を奪われた。
 彼はどこからやってきてどこに向かってゆくのだろう。
 なせだか彼を自分と重ねてみた。
 少しも美しくない自分が哀れに思えてくる。
 心はどうだ。
 彼のように振る舞うにはまだ相当な時間がかかるのだろう。

 時には自分と対峙して心の奥底を眺めるのも良い。
 この白鷺を見て自分の心にもまだ感動する余地があることを知った。
 常に心は汚れたヘドロのような泥水で溢れているのだと思っていた。
 しかしそうではなかったのだ。
 私は彼に救われたのかもしれない。
 今まさに飛び立とうとし
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