夏の終わりに/高林 光
いかという答えを導き出した。
女は「へえ」と気の抜けたような返事をしたあとで、「でもそれって、つめたいよね」とあっちを向きながら言った。
そうなのかもしれないし、少し違うような気もしたのだが、自分が他の人と比べてつめたいのかを測る術もないので黙っていた。だからその一言は、今でも僕の中でモヤモヤしたまま残っている。
女の言うことが確かだとすると、僕は娘に対してもつめたいということになる。それが答えなのかもしれない。
カフェが少し変わったような気がした話に戻そう。
入って奥の二つ目のテーブルの椅子に腰掛けようとして、そこにあった観葉植物に少し元気がないように思えた。よくよく見る
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