芋月仲間が秋夜に揺れる音/あおば
 
えない
自動翻訳器ではあなたのかわいさが
うまく伝わらないのさ
いざというときの意思疎通にも支障があるから
5カ国語くらいは身につけていないとね
月での仕事は駄目だとさ

日本語を絶やすなの掛け声で、
ときたま日本語教室は開かれるけど
かぐや姫のお話などを教えるものだから
だれも本気になってくれないのさ

今でも現代詩を書いている僕たちは、
いまでは何語で書けばよいのか分からずに
仕方なく身に染みついている日本語だから
読んでくれるお金持ちの読者もいないから
紙に鉛筆で書いて風船に結びつけ夜空に飛ばすんだ
上空2万メートルくらいまでは揚ってくれる
風船が
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