砂袋/
はるな
言葉が砂みたいにつまって
詩はもうなくなった
わたしは砂袋
されたキスは
ぜんぶ覚えてる
黒ずんで腐ったところ
いまは眠たい
砂袋になってしまったのに
眠たくて眠たくて
かさかさと体をよじると
やぶれたところがざらざらと落ちていくのが
砂だか言葉だかわからず
そして星がぼたぼたと落ちてくる
あなたは空にもキスしたのだ
こんなに黒く熟れて
わたしは星たちをひろって抱いた
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