アウトリーチ/ただのみきや
 
風に乗る
夢のようにゆれている
否これらすべてが海の見ている夢なのだ

車に戻りながら聞いてみる
次はここからすぐ近くのブックオフだ
あそこは他のブックオフより詩集が多くていい
タゴールの「蛍」はあそこで買った
現代詩フォーラムで見知った詩人の本も見たことがある
古本屋で三時間くらい立ち読みを平気でしてしまう
二人の数少ない共通点だ

肩こりと疲れが苦になり始め
声をかけて店を出る
空腹を埋めずにいられない
臨港線沿の丸亀製麺でぶっかけを注文する
彼は天ぷらもたっぷり皿に乗せる
夏休みの始まりにはたぶんいい一日だ
と勝手に思ってみる
明日の朝には仕事明けの母親
[次のページ]
戻る   Point(6)