カミングアウト/花形新次
 
あたし決めたんです
洗いざらい
真実を話すって

このまま偽りの姿で
生きていくことは
自分自身の存在を
否定することになるんじゃないかって

それに
周りの人たちは
薄々気付いているみたい
みんな気を使って言わないけれど
あたしのことをよく見ている人は
きっと気付いていると思う

床に落ちたものを拾うだけで
息が切れるし
胡座をかいたら何故か後ろに転がるし
便座を壊して尻の肉挟んで血が出るし
肌は常に湿っているし
電車の座席に立つ金属棒が鬱陶しいし・・・・

もういい
はっきり言う
そして自分らしく
生きていく!

そう
あたし、デブなの

正真正銘
デブなのよ!



デブにだって
深刻な感じ
あったっていいじゃない

あったって
いいじゃない!


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