即興/桂
峠に止まれにサインを置くような物
止まる気はないし
君と好きな音楽をかけて流すだけ
助手席から悩み事でも打ち明けてくれたら
運転しているのをいいことに
真面目に答えてやるから
顔を見なければ恥ずかしい思いも半減
「何?生きてる意味?」
そんなのは死ぬまでわかるわけがない
物語の途中で結末を教えるわけがない
この世界の作者の思惑は
命が燃え尽きたとき
灰の中に隠されたメッセージ
今はただ生きるしかない
たとえどんなにくだらない人生でも
ゴキブリにように都会の一角で潜むような奴でも
陽のあたる場所を求
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