君からのたより/葉月 祐
《メール 未読:1》
本に夢中で放置していた携帯には
君からのメールが届いていた
私が行けないような土地まで行く
そんな仕事に就いた君から届く
久しぶりの定期便
今回はどこからだろうか
添付画像を開けば
そこには
美しい町並みと
橋、だろうか
どちらも澄んだ青空と共に
写されていた
本文はいつも短く
それはある意味『君流』の
お決まりのメッセージ
「今日も生きてます そっちは?」
変わらないねと言えば
君はガックリするんだろうか
それとも笑うだろうか
とりあえずどこの国の画像かを
教えてはくれないだろうか
そんな言
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