骨/奥畑 梨奈枝
 
弱き心を西陽と吸って
道すがら酒に酔っていた
雨上がりの川は強く荒く
木々を幹ごと攫っていった

アスファルトを抉る竹の根と
路傍に窄むアサガオと

君らがいつか開くとき
僕らの骨は電気が流れ
きっと僕らを正しくさせる

弱き心の火が消えて
西陽は山へと帰って行った
手元にあるは空き缶で
川は魚を泳がせていた
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