空白/葉月 祐
 


何をしても

埋められないので

私はその穴を

ただ見つめている


どうしても

逃げられないので

とりあえず

その空白を眺めている


怖いのでなく

痛いのでもなく

ただ心が冷えていく

これは誰にも埋められないし

埋めてほしいとも

思わない


どうやら今日は

言葉を繋ぐ為の紐も

すぐに解けてしまうので


そんな夜もあるさと

言い聞かせながら

その空白を抱き寄せる



そんな私の夜

濁ってしまった私だけの夜










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