二歳のあの子が大人になって/もっぷ
人間だから赦してほしいって思うのは甘えでしょうかと夕焼けがのこした
ふるいガラスの牛乳瓶に
つくりものの紅い実の枝いくつかを飾ってあって
それは玄関に
いつも
ガラスだとこの国だから危ないなって
明日こそ別の器にと思って
たまたまそれは未だそのまま
だけれどそんなふうに
あれにもこれにも理由をみつけて
なにがどうだからともあれあれは大丈夫だけどあれは無理あれはだめあれは……
いのちを辿りながら大丈夫をみつめる私はすぐに消えて
だめをみつめる私がうたう
どんなうたを?
それはいつ覚えたの?
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