凌辱の雨/少年(しょーや)
出来るだけ暗い色で擦り切れた過去を全て塗り潰せ
塗っては寝かし
塗っては寝かし
幾重も重ね続ける
二度と、虚像の彩りを見ずに済むように……
正直者が馬鹿を見る時代
悪魔が腹を抱えて足をバタつかせて狂ったようにケタケタ笑い続けるのに
貴方は心が綺麗過ぎてただ見ている事しか出来ない
貴方は心が綺麗過ぎてただ受け入れる事しか出来ない
雨が降る
窓の外は青空、快晴
馬鹿みたい
雨が降る
冷たく尖った槍のように降り注ぐ
肌に触れるとそれは意外にも生暖かく
不思議と心地よささえ覚えるほどに
見たくない
聞きたくない
そんなのいらない
触れたくない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)