祈り/AquArium
たしは気づけないほど
ふたりの世界は狭かった
愛のかたちに正しさも間違いもないけれど
明らかにいびつな空間で
わたしたちは
手をとりあって泣いていた
ほんとう、を
見つめる余裕もないくらい
方向の違う愛を押しつけあう
苦しさこそ愛だと自傷行為を繰り返した2人は
やがて
ほんとう、を
見極める目も耳も心も失った
別れを決意したあなたのなみだ
.
.
お互い少しだけ休むことにした
失った大切なものを取り戻すために
ほんとう、は何かを知るために
あなたの提案した時間は
わたしには十分すぎるほど長くて
朝と夜が通り過ぎるたびに
あなたを忘れるのが怖くて
何度もあなたを描いた
.
.
.
時が流れる
空白の夏が終わる
再会までもう少し
どうか
どうか
やさしくあなたと過ごせますように
次の季節を一緒に歩めますように
ほんとうに大切なあなたとのことを初めて書きました。
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