呪術師の末裔/
ただのみきや
を見つめ
微笑みながら
正気を着け狙うだろう
裾をどこまでもたくし上げ
爆ぜる巫女の
白樺のような脚を闇の中から見ていたのだ
ことばは消えることばの中では
恐ろしいものは肢体であり
脱ぎ捨てた殻に入りようもない
膨れ上がる幻のやわらかな実体だ
己の死体を見下ろすように
目を覚ました魂は
焦土を連想させる森の朝もやの中
酔いから醒めた男のように
冷え冷えと手繰っては
目蓋の裏に扉を探している
《呪術師の末裔:2016年9月1日》
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