煮込み隊/藤鈴呼
室内にいても 外の寒気を 感じる季節 到来
歓喜乱舞ばかりとは 行かないようで
これで リフトにでも 乗っていたら
また 気分は 違うのでしょうが
などと 毒づく暇も 与えられず
震えながら フライパンを 回す夜
タイマーをかけて ゆっくりと 煮込む
根菜の柔らかさを 連想しながら
棒ラーメンの 賞味期限が ヤバイ
と 言いながら 夕寝に入る 旦那
私は 丁度 昼寝から 起きたところ
何だか いつもと逆の 音がする
シャクシャクシャク
小気味良いハミングに 覗いてみれば
エビせんが 小さくなりたく 視界の隙間に
笑顔の 咲きごち
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