君の部屋/葉月 祐
真昼の光や 季節の風も
何もかもが特別に感じられる場所だから
君がいつもくつろいでいる
この部屋の中には いつも
私の好きな幸せの匂いが満ちています
ここにいるだけで 私は、とても―――・・
まどろみかけた私の向かいで
パタンと本をたたむ音がした
頑張ってそちらを見れば
眼鏡を外した君が
微笑みのサインをこちらに送っている
まだ少し眠たい私は
まぶたを擦りながら
そのサインを受け取り
微笑み返しながら
のそのそと 君の元へと向かう
やっぱり 幸せの匂いがする
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