アスワン=ハイダム/天才詩人
 
ンネルを
抜けてくる電車の轟音が
ずいぶん前から聞こえていた

どこにいるのかはわからない
ただ銀の扉が開くたび
聞こえてくる短いメロディと
フロアを流れてゆく
つややかな電光

ファーストフードの
飽和したゴミ箱
臨海地帯の芝生に3人
僕たちが行き着きたい
どこでもない場所は
ここしかないと
目で合図しあった

たった一人だけで
ぺディストリアンデッキをあるいていた
観覧車の光の輪が燃えて
凍るような12月の風
暗い夜空のドームにはなにもみえなかった

細長いビルの5階の教室で
まぶたの裏にはりつく
蛍光灯の光
白・マイナスの残像
黒板にチ
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