微熱/葉月 祐
ごめんなさい
わたしには
うまく言葉に出来ません
いつからか
原因不明の微熱が
わたしを襲うようになりました
心に嵐が訪れる度に
わたしは あなたについて
うまく考えられなくなるのです
考えれば考える程に
あなたを うまく
あらわす言葉をつかまえられない
三十七度ちょうどの体温は
わたしの平熱よりも二度近く 高い
不安と謎の高揚感がやってくるのは
あなたについての言葉を探す時
ああ どうにも
何かが分かりそうで 掴めない
その 繰り返し
心の芯を ジッ と擦って生まれる
マッチの炎のようなその熱に
今夜もまた
わたし 焼かれていくのです
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