君の形ができるまで/YAMATOMO
 
ても
そこには夢で見た街はなくて
店もなくて
君もいないのだから

あのせんべい屋もなかったんだな
馴染みの店のつもりが片思い

石段の上で二人で話そう
親戚の家でお茶を飲もう
気づくまで親戚の家だとわからないから
おもしろい
従兄弟の顔が現れるから敵わない

ああ、これは夢なんだな

認識した瞬間にいつも覚める
そしてあの娘の名前は思い出せない

そしてあの娘の顔はできあがってない


君の事はいつも夢の中に置いてきたままにして
俺はいつもの朝に寂しさを抱いて

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