空色の足跡(わたしから「僕」へ)/葉月 祐
夜を跨ぎながら
深く 吐き切れない程に
わたしは息を吸いこんだ
昔の自分の欠片が
至るところに残っている
当時はそれにすら
気付く事も無かった
気付かないふりを 見ないふりを
重ねに重ねて
長い間 逃げていたよ
わたしは ごめんね と
路上に佇む昔の「僕」の幻に声をかける
あなたは今よりも幼いわたし自身だ
ずっと向き合う事も避けて
暗く重たく冷たい
色すら無い孤独な夜の中に
わたしは「僕」を置き去りにした
ボロボロのスニーカーを履いた
「僕」だけを残して
あの時あなたをひとりきりにした事
何を言えば 何をすれば
「僕」は救われるのか
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