愚か者の涙/ホロウ・シカエルボク
言う事じゃない
念を入れ、手を加え、肌の荒れた女が執拗に化粧をするみたいに
粗末な言葉に装飾を施し、後付けを加え
訊かれてもいないのにくだくだと講釈を垂れ流す
ガラス球をダイヤだと言って売る宝石商のようだ
ラッセンのコピー画を高値で売る画廊のようだ
「うちの子だって一生懸命走ったのに」と
PTAが教員に食い下がる運動会のようだ
有志諸君、大事なものはなんなのか理解しているかい
あんたの一番よく出来た詩はいつだってペンネームだ
チントンシャンから教えてもらった
座敷の踊りを舞うように
決めごとだらけの言葉の中で
自家中毒で泡を吹く
どうして、詩が
そこらへんにあるものだけで作ることが出来るのか
ここぞと思った時に
なにもかもぶちまけられるようにそうなったのさ
押しつけは
しないよ
主義、主張なんてさ
時間の
無駄なんだ
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