雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ(ゴル投稿長考版)/高橋良幸
 

助手席でナビを正確に伝えられないまま
雨が降りそうなんて予報では言っていたが
ここはずっと晴れていた
虹はきっとかかるのだけど
ずっとかかりそうにないようにも思える
信じることはそういうことだから
信じきれないことを信じて
笑ってしまう
電線や枯れ枝からはカラスの糞が落ちてくる
運転席、運転席、
不完全なのが世界で、それを許すのが人間だって(僕が)言っている
完璧な話を聞いたらカラスを連れてくるといい
物語を作り込んでいく白鷺を白日のもとに晒すため
カァ

    もし人間が虹に追いかけられたら、虹に向かってこう言いなさい。
    「おまえの氏や素性を知らな
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