季の三叉路「晩夏」/もっぷ
 
八月も終わる
随分忍んできたし
終わる、との約束も
懺悔とともに乞うてもいて
赦されて
けれど
その件(くだん)の神は属さない
どこにも椅子を持たない
朱のはずだった捺印が
今朝は蒼く見えるのだが
属さぬ故か
或いは
その神は
淋しすぎたのだろうか
ならばこれは
気休めの贋物か
一枚の薄く
譬えようもない
儚さの昨日の
その明日は裏切られたのか
(つまりは私が)
神は祈りをそうやって
略式であれ分け隔て
私は何方を向いて再び
乞うべきなのか
、それとも


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