天上切符/成澤 和樹
ふわり
ふわり
不安はよぎり
譜割も未完に詠われない
ティンノートに書き溜めた
並べたてた 煙たい詩言
−自由でありたい−
ポカンと吹き上げた
悪戯の中空に夢を見る
子宮ヶ原からやってきて
老人ホーム行きを拒んで外れてゆく
気の向くままに 森の中を抜けてゆく
ランブルでランダムな野良犬
−なりてぇもんだ−
*
見上げれば
色無く燃える向日葵落ちる
オレンジと黎明の蒼に
空は混ざる
にじむランプを瞬かせ
水のレールは彩られ
キップよろしく待つ寝台車
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