俯瞰/
umineko
薬で眠る
父を見舞った
ゆっくりと
眼裂が開き
ゆっくりと
また閉じる
私は
川に立つ
真っ白な鳥を想う
そう
あの鳥と
同じ視線で
父は
私を見る
私の向こうの
空を見ている
麻薬って
不思議ですよね
邪念が
消えるんですよ
よこしまなものがなくなって
父は
どこを歩くのだろう
川本町の
土手のあたりを
桜のたもと
文士気取りで
私は
願わずにいられない
あなたの文字を
私に下さい
愛してやまない
遠い 何かを
私が
言葉にしますから
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