みずうみに漣を/もっぷ
て
凪いでいた窓辺では風が翼を そろそろと
……アンコールも終わり私は仲間たちからの思わぬほどの
かの野葡萄の想いとしては
持ち帰れないほどの祝福と労いを受けて
みずうみも手伝って
もちろん、
陽光も味方し
真新しい靴にも気がついてくれていてね
君は命をつなぐべきだと
バイオリン弾きは彼の楽器を大切に抱きしめながら
燦燦と あるべき道を生きて来たたましいへ
彼の故郷の誠実は
脈脈と 息づく謙虚な血潮を
やさしく見つめてやまない証しにと
あるべき道をさらに行きなさいと指示(さししめ)し
風に みずうみに漣をと
戻る 編 削 Point(2)