ふたつの音/るるりら
弟のお尻が もちあがりました
ごとん 姉のお尻も 蛇を感じました
二度ひきかれた蛇は きっと毒蛇です
藪の中にいったのでしようか
「ごらん、そらを」
青いほどの暗がりに
八方を照らしているかのような月の裏
うんの月に身をまかせた ふたりの絶叫
ふたりは、
ひとつの蛇が ふたつの音になるのを 聞きました
二音となって耳に棲み始めた毒蛇は
いつしか私の薬となりました
月の
まるみに
うかぶこころ
二人の子 ひとりは死んで
もうひとりをとりまく星も夜光虫も
ふるえていいます
あの蛇が
二度の音に変化(へんげ)して、私の胸の中に
棲んでいるのです
※詩には作り話が含まれています。
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