八月のブランケット/葉月 祐
穴をどうにか出来ると言うのだろう
今夜はもう 眠れそうにない
今はとにかく眠りたいのに
瞼にも耳にも蓋をして
今すぐにでも眠りたいのに
八月の夜のブランケット
どうしようもできなかった
この孤独の穴を 今だけはどうか塞いでいて
季節外れのブランケット
持て余した感情は もう包みきれない
―――午前三時、
カーテンの隙間から街灯の明かり
打ち付ける雨に濡れた窓硝子は
滑らかに煌めいた
――――――ああ・・・
僕は 長くなるであろう夜を
ひとり
ブランケットの中から覗いている
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