八月のブランケット/葉月 祐
季節外れのブランケット
雨音の波を 遮断しきれない
少し薄手のブランケット
ほんの少し 体に纏わり付いて
―――午前二時、
雨を受け止める窓硝子は
淡く蒼い夜の色
寒い訳ではない ただ
何かが欠けている気がする
その感覚が ただただ気持ち悪くて
一人では うまくそれと向き合えない
窓硝子を 心を
じわりと 濡らしていく 雨
膜越しに耳に届く雨音の波
脳内に感情のシミが出来るのを感じた
寒い訳ではない
僕の中には どうやら
埋めようも無い過去の穴があいているらしい
ひび割れる様に広がったまま
自分以外の誰に
その穴を
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