Avenida 68 (藝術としての詩・続)/天才詩人
日はパン屋に行くのもう2度目だよなぁ Ya es la segunda vez que vamos a panader?a hoy! 」と叫ぶと、彼女は後ろを振り向くことなく「そうね!siii!」とだけ答える。大型スーパーの広告塔ごしの、ツイストロールのかたちをした雨雲が浮かぶ空。解体されアスファルトで整地され、まるで浮き島のように住民の記憶から消えつつあるガラスばりの近未来建築と、廃棄物やスクラップで封鎖された幹線道路で住民が踊り続ける、「カーニバル」の夜深け。僕はLとこの街で出会ってからの数ヶ月間歩いたり立ち止まったりした、ボール紙の地図に色とりどりにマーキングされた無数の地点を思い出しながら、彼女と最初に言葉をかわした、あのパン屋の午後の日がさすフロア、そして、その店がある豊かな森におおわれた界隈まで引き返すための交通機関と、それだけで「一日が終わってしまい」そうな道のりについて反芻していた。
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