綺麗な言葉だけを身に付けて世界を歩けばいい/かんな
 



目覚めると光が降り注いだ
何ものも 邪魔しない
うつくしい朝焼けに
私の心はじりじりと音を立て続け
どこまでも形を失いそうだった

昨晩は
正しくない言葉が
海に捨てられて流されていく中で
私はそれらを必死に拾い集めて
拙い詩を作っていたのだ

今朝になれば
拾われなかったものは綺麗に
浄化されて水蒸気となり
雲になり雨となって地上で待つ
人々を濡らしていった

意味のあることなど何もない
私は泣き暮らした日々を思い出し
つらつらと今のちいさな幸せと比較しては
酒をちびちび飲むように
言葉を吐きたいだけなのだ

鳥たちはさえずり
朝を告
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