夢の始まり/葉月 祐
この手に
白い本を抱えて
まだ見ぬ夜明けを
待っている
今は さよなら
いつか必ず 君の事を
確かな形にして
受け止めるから
待っていて欲しい
あの夜から
随分と遠くまで来た
気付けば君の顔は
随分と幼く見える
僕のせいだね
それじゃあ またね
次に君に逢うのは
きっと
僕が違う夜明けを迎えた時だろう
真っさらなこの本に
一言だけ添えたい言葉がある
新しい朝を迎える前に
この言葉を君へ贈ろうと思う
『ありがとう』
過去の僕へ
未来の君より
どうか 待っていて欲しい
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