ひそみに倣う/田園
 
を孕み、私の腹には贅肉がついた。
老いというのは己で感じるものではなく、周りを見て思うものなのだなと知る。
彼女の赤子。届けられた年賀状。もう合わなくなった言葉の羅列。
疲れるという率直な思考。

もう、彼女は美しいだけでは無い。
私も、もう単純なだけでは無い。
それはひそやかな哀しみを通り越し、いつしか喜びとなった事実。
人間という蠢く魂の躍動。
美しさとは過程に過ぎないのではと、
浮かぶ藻は最近考えている。
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