愛撫、稲のなか/はるな
 

おーい と
夢が呼んでいる
稲のなかで
緑色が発酵していく

背中の真ん中をいく夜を追って手が伸びる
それを愛撫と呼ぶかもしれなかった
世界の稜線に
日が沈む

ぎりぎりと 音をして
今日が濡れていく
いまどこにいるのか
そればかりを気にした日だった


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