番号は予感に眠れ/乾 加津也
番号
まとわりつく、鉛色の
番号たちを集めて燃す儀式
ながい鎖が一筋、見あげて残る
個の人に成れ
番号に生まれたわけではない
番号になりたいわけでもないだろう?
番号は美しく、みんなで整然、足掛かり
便利ね
生きよう
いや
生きることについてか
ことさらに不便なことが
細胞(ぼく)は楽しく
おかしい
眠れ
だれもが眠る
いずれ私も眠りについて定義しなければならないのだろう
ただ、眠りのまえに
それができるか
眠りにおける、一日の疲労とは何か
昏睡とは何か
意識とは何か
暗の中で時が過ぎ
意識が薄れるとは何か
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