なにかが見ている/
ただのみきや
を立て――
満腹しない目を
味覚を失くした目を
わたし
見られている
から
在る
のか
もしれない
監視されて
無意識に
発した言葉を追いかけて手は伸び切って痙攣し
この積乱雲の気持ち
赤黒くふくらむ本能までも
見られている
なにかに
合図を送っている
架空に変換されながら
尚も匂う
真実という幻影の王
《なにかが見ている:2016年8月5日》
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