カノープス/アラガイs
ふと
遠くはなれてしまった人の姿が
無造作に表れてくる
胸の底が熱くなり
息が気にかかる
この頃は生きていることに感謝もしなくなり
死んだように生きている実感もわかない
ただ胸に手をあてて
夢の整理をはじめてみたりする
わたしが先に死んだらあの人は生きていられるだろうか
いまあの人が死んだらわたしは生きていられるだろうか
熱にうなされるように
夏の夜空は暗い
焼きつける朝の日差しが部屋中を隠らせている
心配になり訪ねてみれば
けろっとした顔で座っていたりする
無性に腹立たしくなり
部屋中の窓を乱暴に開け放ち
冷たい飲み物を口に
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