辺境の地の精霊たち/るるりら
 
 言っているんじゃない。
無人島のその日は新月だったから 言っているんじゃない。

無人島で日が落ちたあと、足元の波間に 夜光虫が光るのを楽しみながら海辺を歩いていたら
陸と海の境あたりに 水平移動する白いなにかを見た。それは、犬などの大型動物よりも大きかった。
陸上動物ではなかった。スピード感が ふわりとしていつつ しかも 速い移動速度だった。あれは、なんだったんだろうか。無人島に慣れている男性スタッフのひとりが、「あんなのみたことない。こわい。帰ろう」と言った。朝がきて、ふしぎななにかの居た場所に 白い鳥を見たので 昨夜のアレは 鳥だったのだろうということになった。

わたしたち
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