息子という君/かんな
と色彩について説明するね。
今はまだ好きなだけ好きな色で好きなものを描ける。
自由ってやつ。
気の向くままに散歩し旅をし好きな場所で描くことができる。
大人になることは色彩を失うことににているかもしれない。
だから気をつけて。
描けないということは愛せないことと同じかもしれないから。
「読む」
君はある青年になって、
カフェのテーブルにコーヒーと本を置いて、
女の子を待っているかもしれない。
小説を数行読んではカフェの入り口を見て、
最初の一言を考えているんだ。
女の子とのおしゃべりを想像し、
並んで歩くことを想像するだけで、
どきどきして、初めてトキメキを感じている。
例えばの話だけど、沢山の本を読むように、
自然と沢山の恋をするといい。
ぜんぜん駄目な恋でもその海でもがいてみるといい。
パートナーを見つけるためだけが恋じゃない。
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