ハピネス/かんな
 
喉を潤せば、仕事や家事や幼稚園を容易にこなすことができる。
風が強い今日に
太陽はどこかに木漏れ日を提供する。
わたしはやわらかな光を浴びてやっと安心する。
朝食の支度をしていると息子がパンをかじる、
かじったところには歯形というしあわせがついている。
またかじるとまた同じことが起こる。
息子は笑いながら美味しいと言って全部食べてしまう。
夫はゆったりと新聞を広げ、
時事についてあれやこれやと口にしている。
世の中とわたしの日常は
ほんとうに交わっているんだろうか。
わたしは考えてしまう。
息子のかじったあのパンが新聞のどこかから繋がっているのかを。

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