詩はフレーズで読んでいる/天野茂典
 

  メロンが食べたい
  風呂上り
  缶コーヒーは2杯飲んだ
  パイナップルでもいい
  きょうは冷える
  パソコンの文字が見にくくなって来た
  電気をつけた
  外を見たがきょうはきれいな夕焼けが見えそうにない
  郵便局から手紙が来なくなってから久しい
  もう手紙というメディアは古いのかもしれない
  でもぼくは待っている
  赤い封筒のもえるような緋文字を
  ぼくを未来に誘い出すような
  劇的なフレーズを
  携帯電話やパソコンのメールもいい
  だが手書きの手紙も捨てがたい
  もう四年は手紙を書いたことがない
  年賀状の返事もだ
 
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