夏と雨の短詩・五編/ただのみきや
 
      道端の紫陽花から
      花びらひとつ舞上り 
      小刻みに青く光を返しながら
      すばしこいステップ&ターン
      傍らをすり抜けた    
      四十万への軌跡






  朝から雨


日焼けした腕も脚を床に投げ出して
永劫のように一瞬のように
なにも考えず
――濡れて光る自転車
始まったばかりの夏休み
大人のニュースをつまみ食いする






         《夏と雨の短詩・五編:2016年7月27日》






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